コンケイブベアリングとは

原文:yama@18
校正:eagle0wl
コンケイブとは

最近、高精度なABEC7ベアリングに、糸が中央に寄るようなカーブを加工した金属カバーを装着したコンケイブベアリング (Fig.1) なるものが登場しました。

コンケイブ(concave)とは、ラテン語の「凹面の・くぼんだ」を意味する単語で、くぼんだベアリングという意味になります。

事実、表面が凹型になっており、中央近くに糸が集まりやすくなっています。これにより、糸がボディ側面のレスポンスに触れにくくなるため、回転の抵抗を減らすことができるという効果が得られます。

Fig.1
コンケイブベアリング


コンケイブの形状に隠された秘密

いろいろなプレイヤーに聞いてみると、コンケイブの形状は、中央に糸が集まるのではなく、中央近くを移動できるようになっていることが重要とのことでした。

なぜ、「中央」ではなく「中央近く」なのでしょうか。その秘密を考えてみましょう。

前章で述べた、ベアリングの中央に糸が集まるような凹みのものと比べても、ベアリングの中央近くに糸が集まるコンケイブのほうが扱いやすいとのことでした。

ヨーヨーのスリット(溝)に糸が3重に入った場合を例にして考えて見ましょう。

Fig.2
ヨーヨーのスリット(溝)に糸が3重に入った場合


中心固定形状

3重がけとなった場合、片側に糸が3本寄る場合があります。ベアリングに取り付けられている糸が常に中心にくるためレスポンスには触れませんが、ほかの糸がレスポンスに触れる可能性が高くなります。


コンケイブ形状

ベアリング中央近くのカーブを糸が自由に動くので、3重掛けになった場合でも糸がレスポンスに触れる可能性が少なくなります。また、カーブの効果で端に寄ることはなく、その時の状態で最もレスポンスに触れにくい位置に誘導してくれる効果もあります。


コンケイブなし

糸が端に寄りすぎてレスポンスに触れてしまう場合があります。


以上より、中心固定形状は長時間スリープ記録専用機としては理想的なセッティングとなりますが、2重かけ3重がけが当たり前の通常プレイのセッティングには向かない、ということが分かりました。

以上より、コンケイブ形状はプレイに最も有効な形状である、と結論付けることができます。